それによると宮田教授のゼミの卒業生の約半数が、外資系企業に就職しているそうです。特に学生時代に鍛えられた、優秀でコンピテンシーの高い学生ほどその傾向が強いとのこと。
そういう彼らが外資系企業を選ぶ理由は次の2つに集約されるとあります。
1.入社後5年程度の期間に、やりがいのある仕事を任されてスキルアップできる。つまり成長の機会を与えられることが保証されている。
2.給与が高い
「2.給与が高い」については、まあ当然といえますね。同じ仕事なら報酬が高い方が一般的に好まれますから。
問題は「1.成長の機会が保証されている」というところです。これは言い換えれば、日本の企業には成長の機会が与えられにくいという事になります。
すべての大企業がそうだとは思いませんが、人数が多くなるにつれ、歴史が長くなるにつれ、様々なシガラミが企業の中に発生します。よく使われる「根回し」という言葉もそれを表していますよね。そうなると、そのシガラミを破壊するのはかなり困難になっていきます。
基本的に破壊と創造が激しく入り乱れるものほど、その場のエネルギーは爆発するものです。そしてそのダイナミズムが、新しい市場を形成したりします。ところが、日本の大企業はまったく逆の方向に向かって進んでいるともいえます。
極めて優秀な学生ばかりを集めているにも関わらず、日本の大企業が何故そうなってしまうのでしょうか。かつて花形だった大企業が現在は不人気企業に成り下がっている現実は、どう解釈すれば良いのでしょうか。
それについての答がこのコラムにありました。
10年前には日本を代表する重厚長大企業の方から、そして最近はエレクトロニクスや情報システムの企業の方からよく言われるのは、東大卒の新入社員の“スケールの小ささ、元気のなさ”についてである。しかし、東大の“学生全体”のスケールが小さくなり元気もなくなっていると誤解されているように思う。
東大の卒業生の中の一部のスケールが小さくて元気のない学生が10年以上前には重厚長大産業に向かい、最近はエレクトロニクス・情報システム産業に向かうようになってしまっている例が多いということだ。失礼を承知で言えば、“スケールが小さくて元気がない”のは重厚長大産業であり、エレクトロニクス・情報システム産業かもしれない。だからスケールの大きな元気のいい学生に逃げられているケースが多い。
宮田教授はそういう日本的大企業に就職するのは、スケールが小さく元気のない優秀(?)な学生たちだといいます。そして、日本的大企業自体がスケールが小さくて元気がないからだとも。
確かに、日本的大企業を志望する学生は「安定」や「安心」を求める気持ちが強すぎて、チャレンジ精神に欠ける部分があるからかも知れません。
一方外資系に就職する学生は、保証されている成長の機会を利用して、自らを高める理想と自信を持っているからなのでしょう。チャレンジする機会の与えられない安定だけの企業に魅力を感じないのは当然ですね。(逆に、外資系では「安定」は保証されない場合が多いですが)
こう考えていくと、日本的大企業に就職する、一般的に「優秀」といわれる学生は、はたして本当に「優秀」なのか疑問に思えてきます。
さて、「優秀」とはどんな人材の事を指すのでしょう?
NBonline『外資系企業に就職した卒業生からのメール』


